鬼怒川SUP旅 – 阿久津河岸から岡本頭首工 –
2021年2月27日極寒の朝。栃木県塩谷町の鬼怒川を発ち、いよいよ鬼怒川旅がスタートした。
鬼怒川、炎上
ところが、冬季は渇水の影響で浅瀬が続き、座礁してはボードと荷物を持ち上げて歩いて迂回―――その繰り返しで遅々として進まない。ようやく、東北自動車道の架橋付近から程よい水深を得て、強力な北西からの追い風を背中に受けて快調に進む。背後に見えるシンボリックな男体山が、徐々に遠くなってきた。
順風満帆で東北新幹線の架橋を抜けると、右の河岸では火が付いていた。放火ではなく、ここ関東平野では冬季に乾燥注意報が続き、ふとした火の気(静電気など)がある度に枯草に火が付き延焼するのだ。1月から2月にかけて田畑の畝の雑草を野焼きする習慣があるのだが、自然発火か人為的か少なくともこの時期の河岸は燃えやすいので、火の取り扱いに注意だ。
阿久津河岸で深澤センパイと再会
鬼怒川は氏家市のあたりから国道4号線、つまり奥州街道と接近してくる。そのクロスポイントは阿久津河岸と呼ばれ、鬼怒川舟運での最上流の地点―――江戸から物資が舟で遡り阿久津まで運ばれてきたのだ。
阿久津より下流側には「グリーンパーク」という巨大な公園があり、その水上アスレチックを幼少期から私も遊び場として愛してきたが、同時に鬼怒川舟運の勉強スポットでもあるのでオススメしておく。
ちょうど我々が阿久津付近の浅瀬を四苦八苦しながら下っているのを、撮影している人がいた。
深澤センパイは、2017年11月に行った「巴波川テストクルーズ」で駆けつけてくださった栃木市役所勤務の方で、私の母校である栃木高校の大先輩でもある。
JR宇都宮線と国道4号線の架橋を潜ると、すぐに岡本頭首工が見えてきた。
「岡本にお昼着」奥家リーダーの判断は、なんとか追い風に助けられ辻褄あわせ無事に到着。ランチタイムに間に合った。