リバーSUPスキルアッププログラム
“ リバーSUP ”なる遊びがあり、今年2021年に初めて自ら案内してみました。
もともと、リバーカヤックを長瀞で埼玉県カヌー協会より習い、その後「リバーベース Halau」のヤクこと高畑 将之氏と出会い、様々な倣いながら栃木での水旅をぼちぼちしていた私。
蔵の街SUPのウェーバーこと遠藤 翼氏に協力しながら、互いに学び試行錯誤しながら、ついに私も2021年にリバーSUPの案内人へ…といっても、「一見さんお断り」のスタイルです。
What is “ リバーSUP ” ??
そもそも“ リバーSUP ”とは、なんぞや?
私が執筆協力させていただいた『SUP スタンドアップ・パドルボーディングを安全に楽しむ』(モンベルブックス)にも記載されていますが…SUPを行うフィールドを「平水かつ静水(フラットウォーター)推奨」と書いています。
大型のサーフボードをパドルスポーツ化させたSUPは、特に風などの流れに弱く、しばしば海では「帰還不能」になることも…
一方、川というフィールドに目を移すと、「瀬」という流れの影響を多大に受けます。この瀬の中で、パドルとボードで遊ぶ手法を“ リバーSUP ”と言いますが、前述したフラットウォーターと大きく異なることが、「常に自ら流れの中に身を置き、自ら判断して進む必要がある」遊びです。
私はSUPを指導する際、「落ちてナンボの遊び」と話しています。大型のボードとはいえ、立ち上がり重心を高くすることで、落水する確率は大きく上がります。
フラットウォーターならば、落ちても流れの無い中でのレスキューを案内人やインストラクターが担当し(グループレスキュー)、落水者自身が自ら上がらず(セルフレフキュー失敗)も、安全に助けられることができるでしょう。
しかし、リバーSUPでは、落水すると大きく流され、すぐに案内人が駆けつけレスキューできないケースも考えられます。マンツーマンレッスンならばグループレスキューできるでしょうが、1人の案内人で複数人連れてリバーSUPするならば、難しい安全管理となります。
ここで、もし落水者が自らボードに乗り、再び漕ぎ出せるなら…つまりセルフレスキューできるならば、個々が船長として自覚しながら次へ進むツーリングができるのです。
そのため、今回はじめたリバーSUPを「一見さんお断り」としています。パドリングができること(それが瀬の中での推進力やリスク回避につながる)、セルフレスキューできること、これが絶対条件となるでしょう。
もちろん、私も含め、上記スキルを持っていたとしても危ういケースとなることは多々潜んでいます。それを予防するためには、定期的な下見が必要。道具の正確な使用方法が必要…と、まだまだ気にしなくてはいけないことは山積みですが、まずは今回行ったプログラムを振り返ってみましょうか。
リバーSUP合宿@栃木
今回の参加者は、神奈川県横浜市まちなか水辺のサードプレイス「水辺荘」にて、私がそのアドバイザー期にご一緒したリピーターの皆様。つまり、フラットウォーターでは問題なく漕ぐことができるパドラーの方々です。
まずは、夏の時季に那珂川(栃木)で初リバーSUP。
栃木でリバーSUP案内をしている蔵の街SUPの遠藤氏をサポートにお願いし、「川を漕ぐとは?」からレクチャー開始。
安全に楽しみながら上流から13㎞の航程をダウンリバーし、晩秋に再びチャレンジとなりました。
さて、せっかくですから自ら選択して川を下れると尚よいので、1泊2日の合宿形式で深く川を学ぶツアーとして、11月中旬に再び栃木へ。
1日目は、鬼怒川中流域の人工的に瀬が発生している水域を使って、黙々と練習。
夕方に那珂川沿いへ移動し野営。川談義をしながら翌朝、那珂川へ繰り出します。
2日目の那珂川は、夏に下ったルートと同じ13㎞。
昨日までの練習から、” 川を見る目 ”が養われ、夏よりも進んで下ることができる。” 川の道 ”が徐々に見えてくるんですよね。何が楽しくて、何が危険なのかが、瞬時に判断して選ぶことができる面白さが、川にはあるのです。
普段フラットウォーターで漕いでいるからこそ、流れの中でも選ぶ引き出しを増やせる…パドルスポーツの深みが、このリバーSUPにはあります。
さぁ、来季の川も楽しく安全に漕いでいきましょう。