『カヌーとビーヴァーの帝国』を読んで

『カヌーとビーヴァーの帝国』という本を10年前に読んだようで、その書評を書いたものを改めて載せてみました。

内容は、『カヌービーヴァーの帝国』

すなわち17世紀に誕生した世界最古の株式会社である「ハドソン湾会社」の栄枯盛衰です。


舞台は北米のケベック・五大湖・ハドソン湾からヴァンクーバーまで
なぜビーヴァーかというと、近代ヨーロッパのジェントルマンたちがそのステータスを求めたのが帽子、その最たるものがビーヴァー・ハットとのことで、
そのビーヴァーを獲り運ぶための手段としてカヌーが使われました。
そして交易なので、独占→新規参入者との競争→国家問題→戦争という形でカナダを舞台に大きな問題となり、現地の交易相手であるインディアンや漕ぎ手である混血のメイティたちが巻き込まれるという事態になります。

もちろん他の問題も含まれていますが、ずっと知らなかったカナダとそれを取り巻く国家、そして現地の水域利用まで学べました。
・・・ビーヴァーは木を囓らないと常に成長し続ける歯で自分の頭蓋骨を破壊してしまうっていうのも面白いですが

ただ、私が最も気になったのは以下4点
・漕ぎ手たちは、1分間に50ストローク、そして1日15時間漕ぎ続ける屈強なヴォワヤジュール(フランス系カナダ人のカヌー漕ぎ)やメイティ(白人とインディアン混血先住民)
・移動手段に使用した舟はカバの木の皮で作られたバーチバーク・カヌー
・そして川を遡上し、陸路で次の川へ移るというポルタージュ(portage)
・時代が進むと変わる移動手段(ヨーク・ボートそして蒸気船)

2010年に初めて乗ったカヌー、横利根閘門にて

『カヌーとビーバーの帝国』を読んで10年。私は、ポルタージュ(連水陸路)を駆使しながら、いまや日本を渡り歩く屈強なパドラーになったようです。

次に目指すのは、那珂川(栃木県)から涸沼、北浦を抜け、利根川水系から利根運河、江戸川から東京を目指す往年のルートです。これもポルタージュを駆使して